//え!?こんなものが大学の入試問題に?
大学入試問題

え!?こんなものが大学の入試問題に?

これから受験本番ですね!

受験生の皆さんは、大学の過去問をメインで勉強することが多い時期だと思います。

今回は…

「え!?こんなものが大学の入試問題に出ているの!?」と一見驚くような問題を紹介します(^^)/

①世界遺産あらわる!(2000年 静岡大学 )

問題

関数f(x)g(x)

で定義する。このとき、次の問いに答えよ。

  • (1)f(x)g(x)の増減を調べ、2曲線C1:y=f(x)C2:y=g(x)のグラフの概形を同じ座標平面上にかけ。
  • (2)C1C2で囲まれた部分の面積を求めよ。

コラム

(1)はグラフをかく問題ですが、4次関数、分数関数、三角関数と3種類のグラフが登場します。

また、微分したり、平行移動させたり、絶対値が含まれていたり、さまざまな能力が問われています。

順番にかいてみましょう。

4次関数
分数関数
三角関数

グラフが3種類あるので、かくのに結構骨が折れます。

では、これらの曲線を重ねてみましょう。すると…

なんと…

静岡が誇る「富士山」が出現しました

「さすが静岡大学」と思わせる遊び心のある出題です。それぞれの曲線の特徴がうまく活かされています。

試験中にこれをかくことができた受験生はどう思ったのでしょうか?

しかし、続く(2)では「積雪部分」の面積を求めないといけません。

ほとんどの受験生はゆっくり鑑賞している暇もなく、せっせと積分していたのではないでしょうか…。

②顔は英語で何と言う?(1991年度 岐阜大学 )

問題

(1)~(5)の(  )の中にあてはまる適当な英語を、それぞれの解答欄に記入しなさい。

  • (1)He put his (  ) out of the window to get a better view of the sea.
    (彼は海がもっとよく見えるように窓から顔をだした。)
  • (2)My (  ) hurts.
    (腰が痛い。)
  • (3)They shook their (  )s dubiously at our proposal.
    (彼らは私の提案に対して、いぶかしげに首を振った。)
  • (4)These shoes are so tight that they pinch my (  )s.
    (この靴はきつすぎて足が痛い。)
  • (5)The mother held the baby in her (  ).
    (母親は赤ん坊を膝の上に乗せた。)

コラム

問題にざっと目を通してみると、空所に入るのは体の一部を表す英単語であることがわかると思います。

「空所に入る英単語は簡単そうだし、複数形のsも示されているし、楽勝、楽勝」と思ったあなた、要注意です。

(1)の答えは何だと思いますか?

「顔」を英語に訳すとfaceだから、正解はfaceでしょうか?

実は、そんなに単純な問題ではないのです。

「顔を出す」を想像すると・・・

「窓から顔を出している」様子を想像してみてください。

多くの人が下のような姿を思い浮かべるのではないでしょうか。

この状況では、窓から出ているのは「顔」だけではなく「顔を含む、首から上の部分全体」ですね。

そうです、(1)の空所に入るのは「顔を含む、首から上の部分全体」を表す英語なのです。

すなわち、正解はheadとなります。

日英の違い
ややこしさの原因は2つあります。

1つは、上に述べたように、日常生活で何気なく使っている「顔を出す」という表現が厳密さに欠ける表現であること。

そしてもう1つは、「顔=face」、「頭=head」とは言い切れないことです。

もちろん日本語でも、「顔を含む、首から上の部分全体」を指して「頭」と言うこともありますが、普段は「頭」は「頭」、「顔」は「顔」と分けて使います。

一方、英語ではheadが指す範囲の中に、「顔」を表すfaceが含まれるのが普通です。

「顔を出す」が“put his head out”となるのは当然ですね。

異文化理解への第一歩
(1)~(5)の答えは、以下の通りです。

解答 (1) head(2) back(3) head(4) toe(5) lap

(1)と(3)が同じ答えになることが見抜けたでしょうか。

日本語で「顔」や「首」を用いて表すしぐさが、英語では両方ともheadだったのです。

また、(5)の「ひざ」は、kneeではなくlapです。lapは座ったときにできる、腰からひざ頭までの平らな部分(太ももの上の部分)を指します。日本語にはない表現ですね。

一見簡単そうに見える問題ですが、身近な表現から、日英の考え方の違いを理解できているかが問われていました。

本問をきっかけに、日頃から日英の表現の違いにアンテナを張り、その下にある物事のとらえ方の違いを考察してみるのも、楽しいのではないでしょうか。

③京都らしい歴史の問題(2008年度 京都大学)

問題

(前略)[   ]は古代史研究をよみがえらせた出土文字資料であるが、9世紀以降のものは数が少ない。

これは単に、平安宮が大規模に発掘調査されてこなかったため、まだ発見されていないだけのことかもしれない。(後略)

問 下線部について、その主な理由を述べよ。

コラム

教科書に答えはない
京都大学による、京都の遺跡発掘事情の問題です。

解答欄は1行。

論述問題としてはごく軽めの出題ですが、教科書のどこを探しても“ズバリ”の答えは見つかりません。

教科書の知識だけでは対応できないので、工夫して考えてみましょう。

角度を変えて考えてみよう
まず、リード文の[   ]には「木簡」が入ります。

木簡といえば、藤原宮や平城宮(ともに奈良県)から出土したものが有名ですね。

そう考えると、この設問は“藤原宮や平城宮と違って、平安宮が大規模に発掘調査されてこなかったのはなぜか?”と読み替えることができます。

手持ちの知識から謎を解く
教科書や図録などで、のどかな田園風景の中に佇む藤原宮跡や平城宮跡の写真を見たことはありませんか?

藤原宮も平城宮も、都がよそに遷るとまもなく荒廃し、そのまま田や畑になって近代に至りました。

つまり、遺跡の上にあまり多くの建物がなかったので、大規模に発掘調査を行うことが比較的容易だったのです。

そう考えると、京都の事情が見えてきませんか?

平安宮そのものは鎌倉時代に焼失してしまったのですが、その跡地はやがて宅地化しました。

藤原宮や平城宮と違って、京都はその後も都であり続けたので、荒廃したまま放置されることがなかったわけです。

つまり、“平安宮跡の上には多くの建物が並んでいるために、大規模に発掘調査することは難しかった”と推論できます。

出題者からのメッセージ
“歴史学は過去と現在の対話である”とよく言われます。

おそらく出題者は“教科書の知識や理解をもとにして、柔軟な姿勢で現在から過去に想いを巡らせ、自分なりに答えをひねり出してほしい”と考えたのではないでしょうか。

そして、設問のリード文を次のように続けています。

「しかし、あえて古代史に理由を求めるならば、8世紀よりも紙の使用が広まったこと、律令租税制度が衰退して貢納物の荷札が減少したこと、などを仮説として立てることができよう。」

受験生にお手本を示すがごとく、歴史的思考力をはたらかせて仮説を立てています。

この設問に向き合った受験生たちは、“これから学ぶ君たちに対して、学問への扉を開いて案内しよう”というメッセージを受け取ったことでしょう。

別解の可能性
教科書に出てくる木簡では、長屋王邸跡(平城宮のすぐそば)から出土したものも有名です。

この遺跡の発掘調査は、大型百貨店の建設に先立って行われました。

古都における再開発は、大規模な発掘調査を行うための絶好のチャンスでもあるわけです。

そして平安宮跡については、残念ながらそうした再開発の機会には恵まれなかったとも推論できます。

④こんなところにも化学(2010年度 学習院大学)

問題

以下の問題は、日常生活で出会う化学的な疑問に関するものだ。

君の学んだ化学の知識をもとにして考え、文章で簡潔に答えなさい。

特定の化合物名などを示す必要はない。

汗で汚れたTシャツを、洗剤を使わずに水洗いだけして干しておいたら、酸っぱい臭いがした。

なぜだろう。

コラム

夏の暑い日には、少し外を歩いただけで汗をかいてしまいます。

汗で汚れたTシャツを、皆さんはどのようにして洗っていますか? 洗剤を使わずに水洗いだけをする人はほとんどいないでしょう。

洗剤を使わないと汗による汚れが落ちないことを、経験的に知っているからです。

では、なぜ洗剤を使わないと汚れが落ちないのか、答えることができますか?

汗の成分
そもそも、汗は何でできているのでしょうか?

実は、約99%が水なんです。

水以外の成分としては、塩化ナトリウムや尿素、乳酸などが含まれています。

ほとんどが水でできているため、汗そのものは無色透明で、臭いもほとんどありません。

酸っぱい臭いの原因は?
汗は無色透明で臭いもほとんどないのに、汗で汚れたTシャツが酸っぱい臭いを放つのはなぜでしょう?

その原因は、汗と一緒に分泌される皮脂の中にある脂質成分です。

この脂質成分は、空気中の酸素によって酸化され、悪臭を放ちます。

したがって、酸っぱい臭いを消すためには、Tシャツについた皮脂を除去する必要があります。

洗剤のはたらき
洗剤は、水になじみやすい「親水基」と、油になじみやすい「親油基」からできています。

球体の親水基から、棒状の親油基が伸びているイメージです。

洗剤は水に溶けると、まず棒状の親油基が繊維についた油汚れ(皮脂)にひっつきます。

その後、油汚れは洗剤によって繊維からはがされ、水の中に分散していきます。

この油汚れは洗剤の分子に包まれているため、再び繊維に付着することはありません。

「水と油」というように、油は水に溶けません。

つまり、洗剤を入れないと、水に溶けない油汚れ(皮脂)がTシャツに付着したままになり、Tシャツの酸っぱい臭いの原因となるのです。

身のまわりにある化学
日常生活の中には、高校で学ぶ化学の知識で説明できる現象が意外とたくさんあるものです。

この問題からは、そのような現象に目を向けてほしい、化学を身近に感じてほしい、という出題者の意図が感じられます。

身のまわりの現象を「そうなるものだ」で終わらせてしまうのではなく、「なぜそうなるのか」といった視点でとらえてみてほしいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?

大学入試の問題というと…

「なんだか難しそう…」と思う人も多いと思いますが、今回取り上げた大学のように「今までに学んだ様々な知識を活用できるかどうか?」

を問う大学もあるようですね!

皆さんも、興味のある大学の問題がどのようなものかを調べてみてはいかがでしょうか?

 

参考サイト

おもしろ入試問題

 

千葉県生まれ、東京住まいを経て、現在は神奈川県在住。首都圏を駆け巡ってきたしし座のO型。今日もブログのネタ探しに全力疾走しています!