今回は古代ギリシャの哲学者であるアリストテレス(絵画の真中右側)が唱えた、
人(の心)を動かすための3要素のお話し。
「人を動かす」と言われても、高校生にとってみると、部活動でキャプテンをしているとか、
生徒会の役員をやっている人以外には、「そんなの関係ねぇ」と思いがち。
でも、高校、大学と進み、社会に出ると必ず必要になる力ですので、参考にしてください。
12年連続!採用選考時の重視する要素はコミュニケーション能力が第1位
2016年の2月に、日本経団連が発表した「新卒採用についてのアンケート調査」の結果によると、
選考時に重視する要素は 12 年連続で「コミュニケーション能力」が第1位でした。
データの出典:新卒採用に関するアンケート調査結果の概要
コミュニケーション能力ってなんだろう?
高校生の多くは、「コミュニケーション能力」とは、
「友達と仲良くする力」だと思っているのではないでしょうか?
でも、社会が求める「コミュニケーション能力」はむしろ、
「嫌な人と仲良くする力」と言えると思います。
嫌な同僚や上司、嫌な取引先、嫌な顧客、嫌な交渉相手と
うまくつき合い、いい仕事をする力であったり、
意見の合わない人たちに、どうにかして、
自分の意見を理解してもらう力であったり…。
人として好き嫌い、合う合わないがあるのは仕方のない事。
そんな感情を越えて、賛同、理解してもらい、
人を動かす力が社会に出て必要なコミュニケーション能力のひとつです。
人を動かすための三要素
古代ギリシアの哲学者、アリストテレスをご存知ですか?
今から2,300年以上も前に生きていたとされる彼ですが、
数々の学問を修めていたことから「万学の祖」と呼ばれ、
またアレクサンドロス大王の家庭教師をしていたことでも有名です。
そんな彼は、人を動かすための要素は、
「ロゴス」、「パトス」、「エトス」の三つが必要であると、
著書「弁論術」の中で説いています。
ロゴスは論理、パトスは情熱、エトスは人としての信頼性です。
1.「ロゴス」:論理 ⇒ 相手の話を「正しいと判断」するから動く
2.「パトス」:情熱 ⇒ 相手の話に「共感」するから動く
3.「エトス」:信頼 ⇒ 話している相手自身の「人としての魅力」があるから動く
では、その優先順位はというと、 エトス > パトス > ロゴス となります。
まずは、エトスがなければお話しになりません。
エトス(信頼性)を高め、ロゴスとパトスをそれに続けることが大切です。
例えどれだけロゴス(論理)とパトス(情熱)があっても、エトスがなければ人を動かすことはできません。
要するに人が動くということは、
信用に足る(エトス)人が、真っ当な論理(ロゴス)で、情熱を持って(パトス)話をする。
これが最も効果的ということになります。
高校生にとっては、社会に出てからのこと、まだまだ、関係ない、と思わないで欲しいです。
信頼というものは、すぐ簡単に得れるものではありませんから…。
信頼とは何か?信頼を得るためには?ということを今から考える機会をもって欲しいと思います。
社会に出る前に、まずは、ご両親、学校の先生から信頼を得れる人物になることが必要かもわかりませんね…。
画像:wikipedia